浅井忠日記資料デジタルアーカイブ

きょうは、千葉県立美術館開館50周年記念特別展「浅井忠、あちこちに行くーむすばれる人、つながる時代ー」の最終日である。 サイトを見にいくと、浅井忠の日記がウェブで公開されているのに気がついた。 サイト名は「千葉県立美術館所蔵浅井忠日記資料デジタルアーカイブ」である。 説明を引用しておこう。 このデジタルアーカイブは、千葉県立美術館が所蔵する浅井忠(1856 - 1907)の4つの日記の画…

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夢二・ブロック・アルレッキーノ

さて、先日noteに寄稿した《アダムとイブ:竹久夢二『山へよする』研究⑥》であるが、気になっていて書かなかったことがある。 そのことについてこのブログにメモしておきたい。 左:竹久夢二『山へよする』 木版画《桃樹園》 *新潮社刊、初版は大正8年2月、図版は大正10年9月20日の第9版による右:Albert Bloch《Summer Night》1913https://en.wikipedia…

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画家たちの写真

文学者の写真ほど需要があるかどうかわからないが、画家たちの写真を紹介しよう。 水彩画の興隆をもたらした画家の一人、三宅克己(みやけ・こっき)の自伝『思ひ出つるまゝ』(昭和13年6月20日、光大社)は、淡々とした筆致で綴られているが、おもしろいことが書いてある。 たとえば、旧幕時代の殿様が絵に興味をもってみにきたはいいが、一点も購入してくれなかったこと、殿様たちを運んできた人力車夫たちが玄関先…

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太田三郎《カツフエの女》追記

この絵について、太田自身の解説が見つかったので紹介しておこう。  その頃、京橋の日吉町に日本ではじめて出来たカッフェの、カッフェ・プランタンの女を題材とした私の絵が、文展で優賞を得たことは、画かきの女房としてはまだ初心な妻にとって、大きい喜びであった。しかし、モデルにした女のひも(引用者注−「ひも」に傍点あり)らしいのが、ときおり来て玄関に座りこんで、女に逢はせろと云ってきかないのには、は…

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石井柏亭『美術と自然 滞欧手記』

石井柏亭『美術と自然 滞欧手記』(大正14年6月1日、中央美術社)を読む。 太田三郎と滞欧時期が重なるので、名前が出てくるかと期待したが、見出せなかった。石井は太田を高く評価している。 その代わり、1922年のパリの秋の官展、サロン・ドートンヌで、日本美術の展示室を設けるというので折衝に奔走していることを知った。アスランという人がキーパーソンである。 研究はサイニイで、林洋子「「現代日本美…

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太田三郎《カツフエの女》

第7回文展(大正2年)で三等賞を得た太田三郎《カツフエの女》。ヤフオクの絵葉書ショップで購入。 ややこしいのは、大正3年に『現代の洋画』「版画号」の「自画木版」の《カフエの女》を発表していて、これまで区別ができていなかった。 創作版画研究は、文献も洗い出されていて、研究史も厚いが、どうして太田が創作版画に手を染めたかの、本人の証言は見当たらない。 それはともかく、絵について書くというこ…

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太田三郎《モデルたち》

児島喜久雄が「現在の帝展は太田三郞君程度の畫家でさへ審査員たり得るやうな組織である。」と、「帝展洋画評」という文章で太田三郎を酷評しているが、作品名すら挙げていない絵はどんなものか、と国会図書館に遠隔サービスを申し込んでいたところ、ブログ読者の方が読者メッセージでヤフオクの絵葉書に出ていますと知らせてくれた。(遠隔サービスの方は取り消しが間に合った。) 昭和8年の第14回帝展に出品した太田の作…

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画家村上天流の没年

村上天流という画家がいる。 第1回文展に出品した《画室の一隅》という油彩画で三等賞を獲得している。しかし以降の出品がない。 歿年を知りたいと思っていて、じせデジ(次世代デジタルライブラリー)で検索すると、ピンポイントで『全国美術家名鑑』(南渓山人 編、1924年、太陽社)の「明治以後物故美術作家全国美術家名鑑」がヒットした。「村上天流 大正3年没、年齢不詳」生年が不明であるが、受賞後数年で亡…

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太田三郎のこと

太田三郎の経歴については、東文研のサイトに『日本美術年鑑』昭和45年版(70-71頁)からの引用が載っている。 要点を引用しながら経歴をたどってみよう。 生誕は、明治17年(1884年)12月24日、愛知県西春日井に於て、枇杷嶋は名古屋向け青物の市場の地、三郎の生家も其の問屋の一つであったが、父が富裕にまかせて風雅に流れ、僊艸の雅号で絵(日本画)をかいたりして、産を破った。文雅と貧窮とを相続…

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『木星』中村彝追悼

大阪古書会館で見つける。初めて見る。発行人は福田久道。  2巻2号の2月号も中村彝追悼になっている。目次を掲げておこう。  読者ファンディングで、美術紹介のための挿絵掲載の基金を読者に募っている。一口1円で5口まで。  中村彝の詩が数編紹介されている。     部分色いくら部分が美しくとも玉の色をおしならべても傑作とは何のかゝわりもないものだ。天才の色もくだらぬ絵かきの色も部分の色には大し…

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