松本俊夫『修羅』再見

 見た。1971年に梅田のATGで見たのが初回。 HDマスターでブルーレイであるため、初見の際のザラザラ感はなくなっている。 自分のトラウマを追体験するので少しこわかったが、結果的にはいろんなことがわかった。 監督インタビューでは、最初のキャストは、市川染五郎(現、松本幸四郎)と若尾文子だったという。『ラマンチャの男』のロングランで変更を余儀なくされたという。中村賀津雄は、いってしまった感じで、…

続きを読む

松本俊夫の『修羅』

 偶然、松本俊夫の記念シンポの記事をあるブログで読んで、例の通販で検索すると、主要劇映画が、リマスター版で適価で出ている。 見られるかどうかわからないが、『修羅』を注文した。昔劇場で見たときは、ざらざらの手で目をこすられるような映画だった。見直しても同じように感じられるか、実験である。 実験映像集というのがほしいが高いし、なかなかない。 古本市で未開封ボックスが適価でおいてあるというようなことは…

続きを読む

家で『シン・ゴジラ』を見る

『シン・ゴジラ』見るも、何にも感じなかった。世間はなにを騒いでいたのだろう。ウェルメイドという言葉がある。もとは緻密に作られているという意味だろうが、型どおりによく練られているという意味で、ここでは使いたい。海外ドラマには、ウェルメイドの典型のような作品がある。たとえば、『NCIS』。まあ、いろんな事件が起こるが、計測されたように進行する。いや、ほんとうに計測しているのかもしれない。キャラクター…

続きを読む

FAKE

  先日、森達也監督のドキュメンタリーフィルム『FAKE』を見た。  なんと映画館で映画を見るのは3年ぶりである。  みようと思ったのは、素材に関心があるからではなく、この人のテレビ版のドキュメンタリー『ドキュメント・森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』(2009年4月、キネマ旬報社)がおもしろかったからである。  それについては過去記事「フェイク」を参照されたい。  さて、見てから…

続きを読む

伊丹ボックスと松本ボックス

事故で電車が遅れ、買った本をタリーズで読む。 スターバックスの今のかまえは、本を読む気になれない。(個人的意見です。) 伊丹十三はいい。小説『取り替え子』の塙五良はもっといい。 『伊丹十三の映画』(2007年、新潮社)。アメリカで通訳をつとめたベス・ケーリは、「「タンポポ」はストーリーが面白くて、ユーモラスなところがたくさんあったので、アメリカではとても人気がありました。」と語っ…

続きを読む

ブロックバスターと角川映画

 トーマス・ホワイトサイド著、常盤新平訳『ブロックバスター時代』(1982年、サイマル出版会)。  常盤新平は序文のなかで、次のように記している。 ブロックバスターは一街区を破壊しつくすほどの超大型爆弾のことであるが、映画の超大作を意味するようになり、いまや小説のベストセラーを意味するようになった。  名門出版社が、コングロマリットに吸収され、バックリストの古典…

続きを読む

ダブル・ディラン

 ミシェル・ファイファーという女優さんの映画はよく見ているのだが、代表作とはいえない『デンジャラス・マインド』(1995年)という作品がある。  学園もので、荒れた高校の先生として赴任したファイファー演じるところの、ルアン・ジョンソン先生が奮闘する。  とても、印象にのこっているのは、ファイファー演じるところの、ルアン・ジョンソン先生の詩の授業である。先生は、二人の偉大なディランがい…

続きを読む