著作権没後70年

2018年の著作権法改正で、パブリックドメインに入るのが、没後50年から没後70年になった。これは遡行して適用されることはないという。 没後70年が適用される作家一覧が青空文庫のサイトで公開されている。 木山捷平、伊藤整、尾崎翠、川端康成などが入っている。

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日録

《あれとこれ 三重吉と潤一郎》という記事の参照がふえたので、なんでか、と思っていたら、鈴木三重吉が文アルに新登場したらしい。

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明治大正の「個人主義」

神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫のネットアーカイブを検索していておもしろい記事を見つけた。 「福岡日日新聞」 1916年8月10日付の「個人主義と教育[個人主義匡救策(三)]中等教育会の成案」という記事である。 「加納治五郎氏を会長とする中等教育研究会にては七月一二両日間東京高等師範学校に於て東京府及び近隣八県中等学校修身科教員百四十名会合し左記問題に関し討究の結果左の如き成案を得たりと…

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志賀直哉『焚火』を朗読したこと

 6月に、志賀直哉の『焚火』を朗読する機会があった。朗読といっても素人の技なので、つまることも多々あった。 『焚火』は、何度も読んでいるが、前回読んだときは、少し長いかな、と思った。 しかし、今回朗読して、やはりいいと思った。 『焚火』については論を書いたことがある。 「志賀直哉と〈文〉の領域」という論で 上田博編『明治文芸館Ⅴ 明治から大正へ』(2005年、嵯峨野書院) に収められている。『焚…

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近代文学と夢

 『夢十夜』ばかりが注目されているが、それ以前の夢の表現をさぐったエッセイが亀井秀雄にあったはずと、記憶をたどってさがしあてたのが、「初期近代文学における夢の創出」(1984年3月、『国語通信』)。 政治小説と『浮雲』には、「深層心理を露呈させる夢の描き方」に並行性があると指摘し、鷗外『文づかい』に「夢の予告性と深層心理性」の統合を見ている。  亀井秀雄には、こうした含蓄あるエッセイが多くある…

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上田敏『うづまき』注釈

◇仲間が準備してくれた原稿版下に手を入れるが、なかなか進まない。  語注だけではなく、文脈注を入れるところが工夫である。  文脈注の考え方については過去記事《旧稿より②》に掲げた「『それから』の「古版の浮世絵」について」を参照されたい。  また、「日本文学」57(1), 68-75, 2008-01-10掲載の「ハイパーテクストと文学研究」も参照されたい。これは、ここで、ダウンロード可能で…

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文献自然主義

 文献自然主義というのは、当方の自家製造語。  昔、ある人が、その作家の証言だけで、作家論を組み立てているのを見た時、この文献自然主義という言葉を思いついた。文献が述べている事実について、無批判に受け取ることを言う。  文献が限られている場合、無意識にこの文献自然主義におちいることがある。  それを避けるためには、まず重出性に留意。同じことが複数の証言によって述べられ、複数性が担保できるか…

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歴史のレッスン

 昨日、早稲田大大隈講堂で開催されたジェイ・ルービン先生の講演会がNHKのWEBニュースで取り上げられている。ここ。リンクがきれないうちにどうぞ。講堂はほぼ満席だったそうだ。行きたかったなあ。  また、新潮社の『波』の新号には、村上春樹による、『日々の光』の書評が掲載されているとのこと。  ルービン先生に関心を持った人は、学問上の著作『風俗壊乱』(世織書房)もぜひ手にとってほしい。

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新版谷崎全集

中央公論新社より新版の谷崎全集が刊行される。5月から。 刊行中に、著作権はきれることになるのだろうか。

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煙突文学全集022

斎藤茂吉「三筋町界隈」。初出は、「文藝春秋」1937年1月。引用は、岩波文庫版『斎藤茂吉随筆集』による。 その頃、蔵前に煙突の太く高いのが一本立っていて、私は何処を歩いていても、大体その煙突を目当にして帰って来た。この煙突は間もなく二本になったが、一本の時にも煙を吐きながら突立っているさまは如何にも雄大で私はそれまでかく雄大なものを見たことがなかった。神田を歩いていても下谷を歩いていても、…

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