青木嵩山堂の本

 ツイートで複数の情報を見かけて、電話で東京堂書店神保町店に連絡し、通販で送ってもらう。送料、代引き手数料で高くなるが、アマゾンでは現在品切れで、ネット検索しても、大阪で置いているところは限られているので、すぐ読めることを第一に考えた。 その本は、青木育志、青木俊造著『青木嵩山堂 明治期の総合出版社』(アジア・ユーラシア総合研究所)。持っている本を調べたが、青木嵩山堂(あおきすうざんどう)の本は…

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『大江健三郎全小説』

 今日本屋で見つけた案内。講談社。 2018年7月刊行開始で予約受け付け開始。10ヶ月前である。 作家肖像写真の下に、価格が入るレイアウト。昭和戦前期にはあったのだろうか。とりあえず、乱歩の『貼雑年譜』を見てみるが、価格がこんなに大きくはいったものはない。  全巻解説は、尾崎真理子。 「大江文学の世界各国での読まれ方を示す評論を収録予定」 予約特典は、①著者直筆サイン色紙(中野重治の『十月』)②…

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回覧雑誌『朱欒(しゅらん)』翻刻刊行など

◇ある方にいただいたのだが、愛媛県松山市出身の映画監督伊丹万作や俳人中村草田男、画家重松鶴之助らが20代に出した回覧雑誌「朱欒(しゅらん)」の翻刻版が刊行された。久万美術館の企画展にあわせての刊行だが、月末から書店でも販売されるという。 大正末期の『白樺』の影響を受けた画文の共鳴世界が展開されている。回覧雑誌は、肉筆の一部だけのものなので、翻刻は貴重である。 創作版画誌『月映(つくはえ)』の前身…

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斎藤昌三は谷崎潤一郎の装幀をどう見たか

 〔図版 左、斎藤昌三『書淫行状記』。右、川村伸秀『斎藤昌三 書痴の肖像』〕  今日のテーマは読書人にはよく知られていることなのかもしれないが、いちおうメモしておこうと思う。 このたび、斎藤昌三の自装本を買い求めて、その本作りのしっかりした感触にとても感動した。何冊か裸本を持っていたが、今回、美本を手にして認識を新たにした。 写真の『書淫行状記』(昭和10年1月、書物展望社)は、「漆塗研出布目…

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壁に肖像を掲げる

 前にちょっと書いたけれど、壁に肖像画や写真を掲げる様子が描かれている荒畑寒村の小説がわかった。『逃避者』である。引用は、伏字だらけの『光を掲ぐる者』(大正12年4月、東雲堂書店)による。20数名の同志が集まって、大逆事件後の冬の時代の中で、どのように運動をすすめるかについて議論をする小説である。 次のように、部屋の様子が描写されている。 卓の上には何の装飾も無く、背後の床の間にはKーーが獄中絶…

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ピエール・ロティ『お菊さん』の挿絵

 黒岩比佐子『古書の森 逍遙』(2010年、工作舎)に、新潮社、大正4年版の野上臼川訳、ピエール・ロティ著『お菊さん』が取り上げられている。臼川の本名は豊一郎。目次の横に「訳者装幀」と書かれており、そればかりか、挿絵も野上が模写したものであるとされている。 わたしの手元にあるのは、この再刊本で、新潮社、大正12年7月刊となっている。「尚ほ此の翻訳について」という「訳者附記」があり、その中に、「此…

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古本大学

 仕事先で休憩時間ができたので、ふと思いついて黒岩比佐子の『古書の森 逍遙』(2010年、工作舎)を取り出して読み始めた。確認したいところはすぐ見つかったのだが、そのあとも読んでいると、見出した古書が仕事に偶然つながったり、探していた本を業者風の人に先取りされて、おいかけてしまったりするところなど、古本あるあるでおもしろい。  仕事の整理をつけたあとで、先週空振りだった口笛文庫に寄ることにする…

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尾崎一雄『あの日この日』

 旧講談社文庫版、尾崎一雄『あの日この日(一)』(昭和53年7月)の「三十二」には、震災のことが書かれ、自らの見聞とともに、瀧井孝作「異臭」や志賀直哉「震災見舞」が紹介されている。ぜひ一読をすすめたい文献である。 吉村昭の『関東大震災』(文春文庫)もすぐれているが、作家たちの体験記をまとめた一冊があればいいと思う。

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羊夢舎へ

 フォロー、フォロワー外からツイッターでものを言うときの挨拶が「FF外から失礼します」というらしいが、当方は考えあってアカウントは取得していないので、「ツイッター外から失礼します」となるのだろうか。ともあれ、古本好きの人たちのツイートを参考に、正雀の羊夢舎にいってきた。 阪急正雀で下り、東側を梅田方向に歩き、TACOハウスという小さなビルを左に折れてまっすぐ行くと二筋目の角が羊夢舎だ。コテツさん…

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新刊ウォッチ

 書店の文庫新刊棚を見ていると、日本推理作家協会編『推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ』(角川文庫)を見つけた。

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