雑書雑読

 「雑書雑読」というのは、竹内好の「浦和日記(1948年)」(『竹内好全集』第16巻、1981年、筑摩書房)に出てくる言葉。 出版社から借金を重ねている。1948年1月4日に新宿を散歩し、「昔の上海の裏街のような感じ」と記している。7月11日、丸山真男の「日本ファシズム」を激賞している。 10月28日、高島屋で古書展をみるとある。百貨店の古書市はいつごろから始まったのだろうか。 竹内は、書きもの…

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夏目伸六『父の法要』

 先日購入した夏目伸六『父の法要』(1962年、新潮社)からメモしておこう。 「いんちき夫婦」。初出は朝日新聞らしいが年月日不詳。新橋で「夏目」という「呑み屋」をやっていた。松山中学出身という客がやってきてからまれる。中学赴任が同窓会誌では明治38年と誤植されていて、ただしく、28年と言ったところがかえっていんちきだと思われるという話。  「銀流し」も同趣向。〇〇新聞の論説新聞だという男が来て…

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夢二の代作をした東郷青児

 先日の記事《渋谷修と竹久夢二》で紹介した、渋谷修が『本の手帖』夢二特集、第一集(1962年1月、昭森社)に寄せた「竹久夢二と私」という文章には、東郷青児が夢二の代作をしたことが記されている。 夢二は留守がちで、港屋を守っていた夢二の妻たまきの願いに応じて、東郷が代作をおこなったという。 田中穣『心淋しき巨人東郷青児』(1983年4月、新潮社)という本を、下鴨古本まつりで購入した。著者は読売の美…

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これはどこ?

 1900年頃の東京帝国大学図書館、学生閲覧室。 撮影は、小川一真。 コロタイプなので、奥行きが出ている。  意外と開放的で、書架はない。 食堂やカフェに通じているような気もする。 〔付記〕2017・8・12。出典は、小川一真『東京帝国大学』(1900年4月、小川写真製版所)。右手奥に、書架らしきものも見える。 夏目漱石『三四郎』の図書館の場面を青空文庫(底本は角川文庫)から引いておこう…

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文庫櫂から始めて

 午後に文庫櫂を訪ねる。水島爾保布『東海道五十三次』(大正9年、金尾文淵堂)、『日本名勝写生紀行 京都之巻』(明治43年、中西屋書店)。あと斎藤昌三の『書痴の散歩』(昭和7年、書物展望社)。 絵が10葉以上あれば絵入り本、絵が主体なら画譜とおおざっぱに区分するなら、上記の2著は、画譜といえるか。中西屋書店はしらなかった。このシリーズは5巻ぐらいあるそうだ。明治末から大正前期にかけての版の表現技法…

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山口昌男と吉本隆明

 阪神夏の古書ノ市でひろった、山口昌男対談集『知のルビコンを超えて』所収の、中川久定との対談「表層の知・深層の知」を読んだがおもしろかった。山口は「文化の中の知識人像」(初出1966年3月『思想』、ちくま学芸文庫『山口昌男コレクション』所収)で、聖職者的、道化的という二つの知識人タイプについてふれているが、発表当時、読者の反応はなかったという。 対談で山口は、ディスクールの既定の範囲から「つねに…

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谷崎潤一郎の啓明社版『飈風』のオビ

 天牛書店で購入した、谷崎潤一郎の啓明社版『飈風』(昭和25年6月)。かつて購入したが、オビはなかった。オビ付きはかなり珍しいと思うので、紹介しておきたい。 「谷崎潤一郎発禁作品集」と銘打たれている。 「文豪谷崎が嘗つて情熱の筆を駆し、発禁を受けた名作五篇を原形の儘収む」「飈風」「華魁」「恐怖時代」「亡友(未発表)」「美男(未発表)」「長年枉曲され、或は埋もれてゐた之等作品の正しき評価が、茲に初…

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阪神古書ノ市から始めて

 ゆかりの者と会う前に、阪神百貨店の古書ノ市をのぞく。女性経営の店が参加している。《本は人生のおやつ》では、明治本が出ていて食指を動かしたくなるが、密封されているので中の状態がわからない。剝がして中を見るのは気が引ける。店の棚を見に行くことにしよう。 女性経営店のひとつで山口昌男対談集『知のルビコンを超えて』(人文書院)をワンコインとちょっとで拾う。寄贈相手(?)の肖像マンガ入りで署名が入ってい…

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感じる科学

 暴風警報が出ているが、外仕事に向かう。少し早めに相手先の最寄り駅について、電話して、出勤されていることを確認。この時点で、雨は降っていない。 仕事を終えて、勤務先に向かう途中で雨につかまる。 外仕事を終えたあと駅で、さくら剛『感じる科学』(幻冬舎文庫)を購入。以前から、時々、ネットラジオの《さくら通信》を聞いていて、文庫化されたことを知ったのだ。自称、「六流作家」のさくら氏は、過剰なところがあ…

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お休み中ですが

パイ・インターナショナルの新刊。『HELL 地獄-地獄をみる』梶谷 亮治・西田 直樹。ぶあつさ、つたわりますか。値ははるが、ページ単価は11円弱。仕事、たてこんでいるので、未開封。

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