小品研究まとめよう

 『明治大正小品選』(おうふう)の解説「小品文学の世界」を補訂し、他に書いたもの(「小品という領域」、スケッチ論、「焚火」論)を合わせて、小品研究として本にまとめておこうと思った。  リタイアに向けての作業の一つにすることにしたい。引き受けてくれるところはないかもしれないので、表現急行舎を立ち上げることも視野に含めよう。  とにかく時間を決めて、テキストを改訂していくことが先決だ。 ◇…

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則天無私!

 さて、『文章日記』の記事を書いて、小品文の応募欄があったことが気にかかり、金子薫園編の『小品一千題』という新潮社の本のことを思い出した。初版は、大正5年の4月である。  私が持っているのは、大正12年6月の19版と、大正13年3月の20版である。写真は20版の方である。  金子薫園は歌人だが、新潮社に深く関わり、編集上も活躍したことはよく知られている。『小品一千題』は、『…

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大正8年版の新潮社『文章日記』

 拙コラム『漱石と画文共鳴』、神戸新聞(毎週土曜夕刊掲載)もあと2回となった。先日、最終回(12回)まで校了した。配信記事のため、これから掲載のところもいくつかあるようだ。そのため、記事の中身と重なることは書かないが、関連して掘り出されたことなどは、いくつか記しておきたいと思う。  「則天去私」の揮毫は、新潮社の大正6年用の『文章日記』の座右銘としてなされたことはわかっている。神奈川近代文学館…

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漱石は小品が第一

 松岡譲の河出文庫版『夏目漱石』が、何度も読むうちに、背中が断裂してしまったので、一応修理はしたが、同内容で、「第二章 作品の性格」が付いている『漱石 人とその文学』(昭和17年6月、潮文閣)を買い求めた。  これも、紙質が悪いが、写真は貴重なものが多く、それほど印刷は劣悪ではない。たとえば、漱石蔵の良寛の書と、漱石自身の筆跡が比較できるように図版が並んでいる。  初めて読む「第二章 作品の…

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『小品文集ふるさと』

   『小品文集ふるさと』、大正3年7月、読売新聞編輯局編纂)。  『明治大正小品選』(おうふう)を作った時は、研究継続を考えていた。100枚ほどの分量の「小品文学の世界」は、小品研究の基礎をなすものである。  上記の本が出た後に、あるグループが、小品研究で科研をとったが、成果は単行本化されていないようだ。  ある碩学が、1970年代の文章で、漱石の「永日小品」について…

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百字文

雑誌「百字文」1巻2号、明治37年8月、百字文会本部。 百字文については、当ブログの最初の記事「百字文」を参照されたし。 百字文は伊藤銀月の考案。百字文会なるものを作って、直接購読を募っている。第一次「明星」の発想を参照しているか。 部立ては、「美文」「論文」「小説」「伝記」「紀行」「書簡」「日記」「写生文」「月旦」「雑文」。「雑文」の数が最も多い。 「投稿清規」に「絵画は…

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小品文範

内海弘蔵編『小品文範』(明治45年1月、成美堂書店)。 編者内海弘蔵の号は、月杖(げつじょう)。『明星』の歌人として活躍。 自分が作った『明治大正小品選』の「小品年表」では拾えていない。装幀は隆文館の小品叢書の模倣に見える。 前年に。水野葉舟の『小品作法』が出ている。 作文叢書の一冊である。 作品例のセレクトがよくできている。 文学者のほかに、三宅雪嶺、綱島梁川とい…

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景情小品

 『景情小品』(大正7年4月、日吉堂本店)。編者は、鹿島櫻巷という人物。                 詩歌、小品のアンソロジー。「景情」とは、自然や世情のこと。  編者自身の「悽愴の一夜」は、日比谷暴動をとらえる。「丸の内の報知社の編輯局に来て」とあるので、報知新聞の記者か。日比谷の停留場附近は人の山を成して、電車焼打の予報は誰伝ふるとなく、編輯局に達する、午後九時一道の青…

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