日本注釈学院青春記 間奏曲②

 さて、架空レクチャーの2回目です。  「日本注釈学院青春記 間奏曲①」               日本注釈学院青春記 間奏曲②〈作者を作り、作者を壊す②〉                        木股 知史  さて、戦後の日本近代文学研究の始まりは、伝記研究が中心でした。塩田良平の樋口一葉研究、岩城之徳の石川啄木研究などがその代表です。どうして、作品ではなく、作家の伝記…

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日本注釈学院青春記 間奏曲①

 「共同幻想の巻」は、中絶したままですが、「間奏曲」として、架空の講演を考えました。その①です。  まあ、小説ですので。      日本注釈学院青春記 間奏曲 〈作者を作り、作者を壊す①〉                 木股 知史  ただいまご紹介していただいた木股知史です。伝統ある日本注釈学院の特別セミナーにお招きいただいたことを名誉に思うとともに、…

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日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その6)

 これは小説です。  共同幻想の巻(その1) 共同幻想の巻(その2)  共同幻想の巻(その3) 共同幻想の巻(その4) 共同幻想の巻(その5)       日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その6)  「てんぐたおし! やなぎたくにお!」 丹羽とわたしは思わず声をそろえてそうつぶやくとたがいに顔を見あわせた。 たしかに、さっきフォイエルバッハの『キリスト教の本質』に、奇跡が共同の幻想…

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日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その5)

 さて、これはあくまで小説です。評論で書けるものを小説体で書くとどうなるかという実験です。なんで、そんな面倒くさいことをするのか、じぶんでも明確にはわからないのですが、この内容については、このスタイルで書きたいのです。       日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その5) 「ねえ、きみたち。大きな音がしたでしょう?」 身体をこちらに向けた瀧島里は、もう一度繰り返していった。たしかに、森の…

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日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その4)

 やっと、4回目が書けました。普通に書けば、小説にする必要はないのですが、小説にするとけっこう本気になってきます。不思議です。だいたい、書くことは決めてあるのですが、意外な方向に展開したりします。  まあ、300枚くらい書いたら、小説を書いたということになるでしょうが、まねごとというところです。       日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その4…

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日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その3)

 やっと、3回目。なかなか進みません。   共同幻想の巻(その1) 共同幻想の巻(その2)       日本注釈学院青春記  共同幻想の巻(その3)     ガラス窓の向こうはそろそろ日が落ちかけて、樹木が明確なシルエットを持ち始めていた。室内の明かりは、光量を少し増したようだった。丹羽修迅とわたしは、もとのテーブルの方にも…

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日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その2)

 さてお待ちかねの(?)学問ラノベ『日本注釈学院青春記』「共同幻想の巻(その2)」。  「共同幻想の巻(その1)」はここです。     日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その2)  丹羽とわたしは、備え付けの小型ウェットティッシュで指先をぬぐうと、書見机の向かいにある書物取り出し口にむかった。みどりのランプが点灯すると、「ミュー」という猫の鳴き声のような音がして、書物取…

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日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その1)

 さて、学問ラノベ『日本注釈学院青春記』、「共同幻想の巻」の第1回。全部書いてから、と思っていたが、いつになるかわからないので、とりあえず書いた部分を公開する。      日本注釈学院青春記 共同幻想の巻(その1)  西校舎の隅にあるカフェ想古亭には、紫外線カットのガラスをとおして午後の柔らかな日差しがふりそそいでいた。自然光をおぎなうLEDの照明が自動的に明るさを変え、ノートの文…

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日本注釈学院

 断片から。校庭の西の端のクスノキの下のベンチに、古典コースの山森源一郎が浮かない顔ですわっているので、声をかけてみた。「元気がないな。」「あ、先輩。まだまだ勉強が足りないと思って。」「何かあったのか。」「午前の日本古典の演習で『源氏物語』の「須磨」の巻から出題がありました。例の源氏が廊に立って、雁の歌を詠む場面です。」「初雁は恋しき人のつらなれや旅の空飛ぶ声の悲しき、という歌だね。」「ええ。問…

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