ヘボ画集

2017/11/16 08:52
 過去記事《デモ画集》にアクセスがあったが、たぶん『ヘボ画集』(1912年7月、尚英堂、太田三郎、村田天籟、山田實、服部英郎)のほうに関心が向けられていたのだろう。 いま詳しく中身について記事は書けないが、書影をあげておきたい。 箱はめずらしいかもしれない。かわいい十二支の図。ロゴもいい。山田実の絵。 表紙。「あれえ、足食べられちゃった」という感じか。作者未確定。 裏表紙。魚の拡大図も。木版か? 背。 村田天籟は、通俗的な男女交際論など出版している。序文としてヘボ論を寄せてい..

続きを読む

小村雪岱、お蔵だし

2017/10/19 16:58
 勢いで購入したが、使いこなせない資料がある。新聞小説の切り抜きであるが、『纏女房』という作品がわからない。国会図書館で検索すると、1948年版の駿台書房の『纏女房』が出てくる。邦枝完二の作品なのだが、『喧嘩鳶』と言う作品との関わりも気になる。五流研究者の手に余るので、使いこなせる方に譲りたいと思っている。 新聞、雑誌連載小説の切り抜きを作るときは、本文も一緒にお願いしたいと、切に思うのであった。

続きを読む

エミール・オルリクのこと

2017/10/15 12:57
 『太陽』の増刊「明治大正の文化」(33巻8号、昭和2年6月、博文館)には、菅原教造「版画発達史」という文章が収められており、なかにつぎのような記述がある。墺地利のオルリックは、画家として、舞台装置家として、又独逸の小泉八雲の作品の挿絵画家として知られてゐる。彼は神田和泉町の小柴で技巧を研究して、新錦絵や石版画を描いた。同じく墺地利の画家カペルリーは京橋五郎兵衛町の渡邊で技巧を修得してやはり新錦絵を描いた。中でも黒猫を抱いた待合の芸者を主題としたものに面白いものがある。その他..

続きを読む

「凸版」と「着色木版」

2017/08/14 11:31
 斎藤昌三『書痴の散歩』(昭和7年11月、書物展望社)を見ていると、「装幀界の追想」(初出、昭和4年11月、「商業美術月報」)に、「装釘も明治大正昭和と通じて、草双紙型からボール表紙、新大和綴から布装、革装と大体の変化を見、表紙の印刷も木版から石版、金版と進化し、今日に至つてゐる」云々という一節があるが、金属版、すなわち亜鉛凸版は「金版」とされている。読みは「かねはん」でいいのだろうか。 先日購入した水島爾保布『東海道五十三次』(大正9年3月、金尾文淵堂)は、金属版と色刷り木..

続きを読む

中村不折の装幀・挿絵の文献

2017/06/22 23:51
 雑誌『一寸』70号(2017年5月)掲載の岩切信一郎「中村不折の美術活動と印刷ー装幀・挿絵についてー」は、不折の挿絵、装幀についての基本文献といってよい内容である。 これまで、なんどもふれてきた石版と木版の問題にも関連する。不折といえば、漱石『吾輩は猫である』の挿絵がよく知られているが、ある図録では、すべてが石版だとなっていて当惑したことがある。 岩切の論では、そこが明確に整理されている。服部書店・大倉書店の『吾輩ハ猫デアル』の6葉の口絵、挿絵のうち、《欄干に倚って橋下をの..

続きを読む

もっと見る