中村不折の装幀・挿絵の文献

2017/06/22 23:51
 雑誌『一寸』70号(2017年5月)掲載の岩切信一郎「中村不折の美術活動と印刷ー装幀・挿絵についてー」は、不折の挿絵、装幀についての基本文献といってよい内容である。 これまで、なんどもふれてきた石版と木版の問題にも関連する。不折といえば、漱石『吾輩は猫である』の挿絵がよく知られているが、ある図録では、すべてが石版だとなっていて当惑したことがある。 岩切の論では、そこが明確に整理されている。服部書店・大倉書店の『吾輩ハ猫デアル』の6葉の口絵、挿絵のうち、《欄干に倚って橋下をの..

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あれとこれ 木版と石版

2017/06/13 00:08
 はじめて手にしたオリジナルの『明星』は、明治37年1月号。日本の古本屋のサイトができてまもないころ、まだ検索に制限がなく、平凡出版の芸能誌『明星』ばかりが際限なくでてきて、まいったが、あきらめずにつづけていると、青森の古本屋さんで、この号が見つかったのである。価格は2700円だったと記憶する。 それまでは、臨川書店版の複刻版の図版をコピーして、ファイルに分類していたが、印刷の本当の状態はオリジナルを見ないと分からないと痛感していた。 届いたものは、外部の保存はよいとはいえな..

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天理ギャラリー漱石展図録

2017/05/28 17:20
東京の天理ギャラリーの漱石展の図録を取り寄せてみた。見たことがないものばかりで、ぜひ行きたいと思った。ただ、仕事の予定がたてこんでいて自由にならない。『三四郎』の原稿も目を引くが、中村不折の『不折俳画』(明治43年3月、6月、上下巻、光華堂)の原画が出ているのに関心が向いた。木版と原画がならべて示してある。『不折俳画』では木版となり、味わい深い仕上がりとなっているが、原画は筆触が流麗で色に濃淡がある。ただ木版の味もよく出ている。不折の自筆画稿と、漱石の自筆句稿「御堂まで一里あ..

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『ホトトギス』のコマ絵

2017/05/10 21:17
『ホトトギス』11巻11号(明治41年8月)。渡辺与平のコマ絵《汽車中所見》。「紳士滑稽新聞を見るの図」とある。  宮武外骨の『滑稽新聞』が、車中で読まれていたことが分かる。『滑稽新聞』は、明治34年1月から明治41年10月まで。最終号には「自殺号」と明記された。〔付記 2017・5・11〕勘違いがあったので、記事を修正した。車中で『滑稽新聞』を読むというのが、レアなので描いたのか、増えてきた事象だったので描いたのかがわからない。個人的には前者のような気がするが。もう一つ、..

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雑誌をあつめる

2017/05/07 21:21
このところ、少しずつではあるが、古雑誌をあつめている。一冊5000円というのは手が出ない。2000円までである。博文館の『女学世界』1908(明治41)年2月。表紙は一條成美。折鶴に糸をつけて舞わす遊びがあったのか。石版印刷。口絵は、上村松園や宮崎(渡辺)与平など。コマ絵は多く、竹久夢二も複数作品がある。保存はよい。なかに、虫の押し花ではなく、押し虫があってまいった。懸賞クイズがあって、総額1000円。一等は、三越呉服店の呉服切符100円分。挿絵の中の文字を集めて、隠された言..

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あれとこれ 複刻版とオリジナル

2017/05/04 00:02
あれとこれシリーズは、似ているようで離れている、離れているようで似ているものを二つ取り上げて比べてみるというアイデアからはじめたものだ。今回は、複刻版とオリジナルの比較である。複刻版は、研究をはじめた頃にはなくてはならぬ存在であった。第一次『明星』の複刻版は、27万円、月賦で購入していた。はたらいていたので、気軽に研究室でみるというぐあいにはいかなかった、記事はむろんのこと、図版にも関心をもった。そのころは、オリジナルを見たことがないので、複刻版の図版をコピーしていた。コピー..

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