あれとこれ 木版と石版

2017/06/13 00:08
 はじめて手にしたオリジナルの『明星』は、明治37年1月号。日本の古本屋のサイトができてまもないころ、まだ検索に制限がなく、平凡出版の芸能誌『明星』ばかりが際限なくでてきて、まいったが、あきらめずにつづけていると、青森の古本屋さんで、この号が見つかったのである。価格は2700円だったと記憶する。 それまでは、臨川書店版の複刻版の図版をコピーして、ファイルに分類していたが、印刷の本当の状態はオリジナルを見ないと分からないと痛感していた。 届いたものは、外部の保存はよいとはいえな..

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色刷り木版の版面 つづき

2017/04/16 00:00
博文館『文藝倶楽部』第7巻15号、明治34年11月。『明星』が西洋美術の若手を使って、誌面に新味を出そうとしていた時期である。 表紙は、山中古洞《冬木立》。目次によれば、「精彩石版画」である。 口絵は、梶田半古《仙錦亭》。目次によれば、遅塚麗水の小説「仙錦亭」の口絵で、「精彩木版画」である。髷の部分を拡大してみよう。  少しわかりにくいが、地の黒の上に、髪の線を示す黒が重ねられている。 ヒロインの着物の前に、木の枝が伸びている。その部分を拡大してみよう。  色の重なりにつ..

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伝統的な多色木版の版面

2017/04/10 00:07
先日買った、国貞・種彦の『明烏 八編上』の表紙。いつの刷りかはわからない。顔のアップ。方向は少し変えてある。 髪の生え際に特徴が出ている。 刀を持つ手元のアップ。線と色面が区別されている。 色面の規則性のない、なんというか、モコモコした感触が木版の特徴である。もう少し、適切に描写できるようにならないといけないが。

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石版のずれ

2017/03/13 19:52
日露戦争期の絵はがき。明治38年。見ていただきたいのは、石版印刷のずれである。多色石版で色を重ねているが、「逓歩哨」の持つ銃身はずれている。石版の特徴が緑色の部分などよく出ている。 日露戦争関連の絵はがきをたくさん集めると『絵はがきから見た日露戦争』が書けるかもしれない。もうあるの?

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木版直接印刷の場合 第二次『明星』

2017/03/08 11:19
 第二次『明星』が自刻の木版にこだわり、印刷も紙型によらずに行っていたことは過去記事《第二次『明星』の自刻木版》で紹介した。今、もう一度引用しておく。 大正13年10月(第5巻5号)の号の編集後記「一隅の卓」で、与謝野寛は、次のように記している。 「明星」の用紙は震災前と同じく、特にこの形に王子製紙会社の厚意で漉いて貰つてゐる。この紙質は先年来同社で「明星」と命名されてゐるものである。それから現に東京で発行する雑誌で原版(即ち紙型で無く)のままで印刷してゐる雑誌は「明星」以..

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木版コマ絵の刷り

2017/03/06 17:49
 さて、木版コマ絵の刷りについて考えてみる。 岩切信一郎「印刷から見た夢二作品」(『夢二 1884−1934 アヴァンギャルドとしての抒情』展図録、2001年4月、町田市立国際版画美術館)の所説を紹介しよう。 岩切氏は、明治末期は、木版を原版とすることが多かったという。岩切氏は「夢二が挿絵画家としてデビューした明治末期は、まだ木版を原版として用いることの方が主流であった。後の大正年間になって活発化した、描いた描線の原図そのままを写真複写して陰版を作る(湿版法)写真亜鉛凸版より..

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