『産業と美術のあいだで 印刷術が拓いた楽園』展

2018/03/29 11:51
 和歌山県立近代美術館で。 『産業と美術のあいだで 印刷術が拓いた楽園』展。2018年4月14日〜6月24日。チラシより。「ひとりひとりの生活のなかにもたらされた印刷物は、新鮮な視覚体験をもたらし、また産業としての印刷の担い手たちのなかにも、実用的な需要に応えるあいだに、印刷技術のなかにある版の創造的な側面に着目する人が現れました。」

続きを読む

超絶的写真網版

2018/03/10 21:08
 文庫櫂さんで見つけた『白馬会紀年画集』(明治38年10月、白馬会)。最初コロタイプかな、と思ったが、ナノキャプチャで拡大すると、ドットが見えるではないか。とても網版とは思えない仕上がりである。 白馬会の展覧会の図録として用いられたもの。10回大会の記念として発行された。 久米桂一郎の「紀年画集はしがき」はつぎのように記している。油画を写真に取ることは非常な困難で、是まで一度として満足にいつた例はない。然るに此画集の写真については柴田常吉君が熱心に腕を揮われ、撮影から仕上げま..

続きを読む

切り抜き帖を買う(つづき)

2018/02/20 20:03
 右の風景。写真ではわからない感じはでている。サイン(「4」か「千」か)わからず。 左は夢二。犬はうまくない。明治41年というと、『春の巻』以前で、タッチが安定していない。 右の「ミドリ」は、略筆風だがだれかわからず。 上、作者分からず。 下、「ミドリ」、わからず。

続きを読む

切り抜き帖を買う

2018/02/20 17:35
 3月の小さな報告のために、コマ絵の切り抜き帖を購入する。 ネット注文なので、どんなものが来るかは、当てものみたいなものである。 届いたものは、わら半紙を二つ折りしたものを閉じて、各頁、2〜3のコマ絵が貼ってある。 糊が腐食していないのはよかった。ただ、こどものいたずらか、塗り絵のように色鉛筆で色が入っているものが割合あって、これは少しガッカリした。 切り抜きは、印刷そのものがオリジナルであることがよい点で、出典が不明なのが悪い点である。 今回購入の切り抜き帳は、『女学世界』..

続きを読む

エミール・オルリクのこと

2017/10/15 12:57
 『太陽』の増刊「明治大正の文化」(33巻8号、昭和2年6月、博文館)には、菅原教造「版画発達史」という文章が収められており、なかにつぎのような記述がある。墺地利のオルリックは、画家として、舞台装置家として、又独逸の小泉八雲の作品の挿絵画家として知られてゐる。彼は神田和泉町の小柴で技巧を研究して、新錦絵や石版画を描いた。同じく墺地利の画家カペルリーは京橋五郎兵衛町の渡邊で技巧を修得してやはり新錦絵を描いた。中でも黒猫を抱いた待合の芸者を主題としたものに面白いものがある。その他..

続きを読む

「凸版」と「着色木版」

2017/08/14 11:31
 斎藤昌三『書痴の散歩』(昭和7年11月、書物展望社)を見ていると、「装幀界の追想」(初出、昭和4年11月、「商業美術月報」)に、「装釘も明治大正昭和と通じて、草双紙型からボール表紙、新大和綴から布装、革装と大体の変化を見、表紙の印刷も木版から石版、金版と進化し、今日に至つてゐる」云々という一節があるが、金属版、すなわち亜鉛凸版は「金版」とされている。読みは「かねはん」でいいのだろうか。 先日購入した水島爾保布『東海道五十三次』(大正9年3月、金尾文淵堂)は、金属版と色刷り木..

続きを読む

もっと見る