『學鐙』春号は、「特集夏目漱石」

2017/03/20 20:51
『學鐙』春号は、「特集夏目漱石」。 『學鐙』も月刊から季刊に移行するようだ。この春号が、漱石特集であることを偶然知って、版元に注文した。多くの人が、見開き2頁でエッセイを書いている。2篇気にかかるものがあったので、紹介しつつ、思うところ述べてみたい。研究ノートのひとつだと考えていただければありがたい。        池端俊策「ドラマ「夏目漱石の妻」で書かなかった人物達」 まず、池端俊策氏の「ドラマ「夏目漱石の妻」で書かなかった人物達」。この人は、ドラマ「夏目漱石の妻」の脚本家..

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『月に吠える』の文献

2017/01/30 00:46
日本近代文学館の複刻シリーズの解題を3冊手に入れた。1冊200円。こうした解題は、けっこう貴重である。新聞初出のものは、小さいが、第1回目の写真版が入っている。ところで、『精選名著複刻全集 近代文学館—作品解題』(昭和48年11月4刷、初版は昭和47年6月)の『月に吠える』の解題は、伊藤信吉が書いている。複刻の元版については次のような記述がある。〔複刻について〕原本は四六判、角背紙装、アンカット本。カバー付き。挿絵一二葉。凝った造本の一つである。無削除版と削除版とでは口絵・カ..

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長野県の須坂に『月映(つくはえ)』を見に行く

2016/11/22 16:47
早起きして、新大阪に向かう。地震があったようだ。遠出すると地震が起きるというジンクスがあたる。片道5時間の道のり。遠くとも日帰りできるところは帰るようにしている。 名古屋から、特急しなのに乗り換え。もう着く頃になって、車内販売はないというアナウンス。 列車の「行き違い」のために明科駅に停車するが、5分遅れとなる。「行き違い」は変な言い方。列車通過調整のためで十分ではないか。変な言葉づかいなので「行き違い」が起こる。 長野電鉄に乗り換えられるかギリギリになる。ジョルダンま..

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恩地孝四郎展に寄せて

2016/05/22 15:39
 昨日今日と、和歌山県立近代美術館の恩地孝四郎展は、どうだっただろう。図録はだいぶん売れたのかなあ。  さて、恩地孝四郎について、初めて知ったのは、1930年代の『飛行官能』(1934年、版画荘)によってである。30年代モダニストの一人だと考え、創作版画のことなど何も知らなかった。ただ、図版で知る『飛行官能』は、すごくかっこいいと感じた。  和田博文『飛行の夢1784−1945』(2005年5月、藤原書店)は、『飛行官能』について、写真と活字を結合する..

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月を愛でる

2015/10/26 22:00
 さっき買い物に出ると、低い空にいい月が出ている。 月光を浴びて、月映え(月光を受けて姿が浮かび上がること)がおこるかもしれない。 創作版画誌『月映(つくはえ)』の誌名は、田中恭吉が提案した。その葉書は、月映展にも展示されている。  『月映』でドラマを作るなら、メインは恩地孝四郎、のぶ夫妻。戦争を生き延びて、創作版画の火を消さずに守る。香山小鳥や田中恭吉の早すぎる死が悲劇として描かれるのはもちろんのこと。美術街だけではなく、詩歌句街の朔太郎や白秋も登場する。夢二は、..

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つくはえ(月映)展の図録

2015/09/21 23:58
 つくはえ(月映)展の図録は、当初は、新品CDのようにコーティングされていたが、愛知県美の時から、ボックス入りになった。角がつぶれやすいのをさけるためらしい。写真左はコーティングをはがしたあとのものである。  図録には功罪があって、見ていると、オリジナル初見時の感覚がなくなってしまうことがある。わたしの場合、月映の版画に関しては、何度も見ているので、図録の複製を見ると、かえって、オリジナルの何ともいえない触感が思い出されるようになった。何度も見るというのは、大..

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