名家近作叢書、谷崎潤一郎『金色の死』

2017/10/09 19:58
 さて、昨日、天神さん古本市で見つけた、日東堂刊の名家近作叢書『金色の死』は、田山花袋『泉』とあわせて2冊しか出なかったと、紅野敏郎『大正期の文藝叢書』(1998年11月、雄松堂出版)に記してある。 巻末広告に出ている、前田晁の感想録『鞭』は未刊だったようだ。 紅野敏郎は、「谷崎の『金色の死』は有名な作品だが、この「名家近作叢書」の本となると、今日では入手困難な本といってよかろう」と述べている。 また序文で、谷崎が売れている『お才と巳之介』『お艶殺し』よりも、本書収録の『金色..

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谷崎潤一郎、妻を語る

2017/09/20 22:47
 書架の奥から、昭和29年11月14日号の『週刊朝日』が出てきた。表紙画は、伊勢正義の「バレエ」。 何で購入したか、わからなかったが、「妻を語る」という1ページのグラビアで、谷崎潤一郎の松子夫人についての談話が載っている。 談話記事は、新全集25巻(2016年9月、中央公論新社)に収められている。「春信の描いたような女」が懐かしいとある。 別冊太陽が鈴木春信の特集号を出していた。 春信の描く女性像の足が曲がっているというのは、ちょっと深い意味がありそうだ。 昭和29年は68歳..

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斎藤昌三は谷崎潤一郎の装幀をどう見たか

2017/09/18 00:00
 〔図版 左、斎藤昌三『書淫行状記』。右、川村伸秀『斎藤昌三 書痴の肖像』〕  今日のテーマは読書人にはよく知られていることなのかもしれないが、いちおうメモしておこうと思う。 このたび、斎藤昌三の自装本を買い求めて、その本作りのしっかりした感触にとても感動した。何冊か裸本を持っていたが、今回、美本を手にして認識を新たにした。 写真の『書淫行状記』(昭和10年1月、書物展望社)は、「漆塗研出布目装」であるが、持った感触も実にしっかりしており、この本が、本についての本だというこ..

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もの食う谷崎潤一郎

2017/09/01 14:54
 奈良、柘榴ノ国で、400円。角川書店版、昭和文学全集の特典アルバムとか。たくさんあったが、谷崎だけにした。  貫禄がある。福田家での食事風景。  フジケイで500円。谷崎潤一郎『文章讀本』昭和17年4月、百四十版、初版は昭和9年。

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谷崎潤一郎の啓明社版『飈風』のオビ

2017/08/09 23:01
 天牛書店で購入した、谷崎潤一郎の啓明社版『飈風』(昭和25年6月)。かつて購入したが、オビはなかった。オビ付きはかなり珍しいと思うので、紹介しておきたい。 「谷崎潤一郎発禁作品集」と銘打たれている。 「文豪谷崎が嘗つて情熱の筆を駆し、発禁を受けた名作五篇を原形の儘収む」「飈風」「華魁」「恐怖時代」「亡友(未発表)」「美男(未発表)」「長年枉曲され、或は埋もれてゐた之等作品の正しき評価が、茲に初めて為されるべきであらう。」 「亡友」については、「かつて雑誌上に載り、発禁を受け..

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『摂陽随筆』装幀について

2017/02/26 12:54
かつて、谷崎潤一郎『摂陽随筆』の装幀について、《和のアヴァンギャルド?》という記事を書いた。このたび、谷崎潤一郎記念館編の『芦屋市立谷崎潤一郎記念館資料集(二)雨宮庸藏宛谷崎潤一郎書簡』(平成8年10月)を入手した。関連する情報を補足しておきたい。書簡番号29、『昭和九年(年代推定)十一月十二日 封書(封筒欠)」。 扨次の随筆集「東京をおもふ」よりは「摂陽随筆」と云ふ題の方が宜敷と存じ左様に決定し、別紙の通り原稿及び装幀見本御送り申上候(中略)編入の順序、組み方等は一切装幀..

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